食べたら分かる。
谷田社長が語る、
紆余曲折を経て開発された
「適塩カレー」
コラボレーションの裏側

タニタ食堂とエスビー食品のコラボカレー

タニタが運営するタニタ食堂とエスビー食品とのコラボレーションで生まれた「1食塩分1g 適塩カレー」。今回は、タニタの谷田千里社長にインタビューを実施。コラボレーションの裏側とこだわりについて明かしてもらいました。

ご近所さんの縁からコラボレーションがスタート

ご近所さんの縁からコラボレーションがスタート

──商品を開発することになったきっかけは何だったのでしょうか?

元々は業務用としておいしさと健康を両立したカレーを共同開発していました。これをさらにブラッシュアップして、一般の方向けに発売しようということで商品の開発がスタートしました。

さらに元を辿ると、会社同士が歩いて800歩のとても近所にありまして。これまでいろいろな食品会社さんとコラボレーションさせていただきましたが、エスビー食品さんとはコラボレーションの実績がなかったので「まずはごあいさつに行かないと」とお伺いしたのがきっかけです。

“いわくつき”の「旨みとけ込むビーフカレー」

旨みとけ込むビーフカレー

──商品開発の裏側を教えてください。

「スパイス香るキーマカレー」と「ごろごろ野菜のカレー」は順調に開発が進んでいったと思います。“いわくつき”なのが「旨みとけ込むビーフカレー」ですね。

弊社が食品を監修させていただく際は、サンプルを複数回作っていただく場合が多いです。「旨みとけ込むビーフカレー」でも何度か試食させていただき、タニタからは「これで商品化させてください」と納得してお戻ししたサンプルがありました。ところが、エスビー食品さん側の最終決定で「これはカレーじゃないから販売はできない!」とストップがかかりまして。「どうすればいいのか……」と困惑しましたが、エスビー食品さんがさらに改良を加えてくださり、発売に至ることができました。

改良されたカレーを試食してみると「これです!」という味で、大変納得感がありました。弊社内でも満場一致の見解でした。

「旨みとけ込むビーフカレー」の商品化では、エスビー食品さんの力が大変大きかったので「タニタ食堂監修ではなくエスビー食品監修じゃないですか!」とお伝えしました。商品名もタニタ食堂監修ではなくエスビー食品監修に変えてくださいと頼み込んだのですが、説得がうまくいかず(笑)。次回の製造から商品パッケージの「監修」の文字を他の2種類よりも少しだけ小さくしてもらうことと、このような取材などの公の場でこの思いを伝える形で落ち着きました。

商品の開発には、計60回以上の試作・改良を行いました。3種類どれも好きですが、ビーフカレーは開発中の熱い裏側のストーリーがあるので、ぜひとも食べていただきたいです。エスビー食品さんのカレーへのこだわりが詰まっていますので!

──試食の際に心がけていることはあるのでしょうか?

試食の際の心がけ

いろいろありますが、やはり「タニタらしい商品をお客様にお届けすること」について妥協しないことです。美味しさはもちろんですが、特に栄養価や食感などでタニタやタニタ食堂の健康メソッドを入れられるようにいつも心かげています。

極端な話、タニタ食堂の定食が“すごく美味しいけれど5000kcal”だと「ちょっと話が違うじゃないか」となりますよね。ですので、カロリーや塩分など栄養価を優先的に考えています。

今回もその点を重視して試食をしたのですが、商品化についてNOのお返事が返って来まして。エスビー食品さんが改良した最終的な試作品を食べる前は「そんなに味が変わるわけないだろう……」と思っていました。実際に食べてみると思わず「すみませんでした!」と言ってしまうほど、旨みの違いに驚きました(笑)。最終的には、両社のこだわりが詰まった商品が完成しました。

──最初の段階では、タニタ食堂らしさが勝っていたのですかね?

栄養価や食感を重視したなかで、私たちが実現できる味には限界がありました。しかし、私たちが監修した健康要素が強いカレーを美味しさの専門家であるエスビー食品さんに監修していただいたことで旨さが乗ってきたのだと思います。

ただの減塩カレーとは違います。また、他の2種類とも違います。食べたら分かります。旨みがあり、カロリーも控えめで、適塩になっている両社の自信作、ぜひカレー好きな方にこそ試してもらいたいです。

本当は前の試作品と比較として食べてもらいたいくらいなのですが(笑)。

──今回のコラボレーションならではの楽しさ・難しさはありましたか?

コラボレーションの楽しさ・難しさ

これまでも食品メーカーさんとのコラボレーションを多く取り組ませていただいていますが、ビーフカレーの商品化にエスビー食品さんからストップがかかるまでは、切磋琢磨しながら作り上げるいつも通りのコラボレーションでした。

ただ、こちらがOKを出した後で、それを上回る提案をされたのは今回が初めてでした。やはりエスビー食品さんはすごいと思いました。スパイスのプロ、味のプロの商品づくりを目の当たりにし、本当に勉強になりました。

“いわくつき”の旨みとけ込むビーフカレーをぜひ食べてみてください。「そこまで言うなら……」と思って食べた皆さんを唸らせられる味だと思います。

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